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裁判傍聴

会社の先輩に「見ておいたほうがいい」といわれ、夕方 東京地裁へ連れて行ってもらいました。

オイラが傍聴したのは、不正入手した銀行のキャッシュカードで現金を引き落とした、つまり窃盗罪で起訴された刑事裁判の公判。

刑事裁判の場合、ほとんどは起訴事実を認め情状酌量に重点がおかれたものになるので、裁判は以下のような流れで進んだ。


・人定質問
被告人に氏名・年齢・職業・住居・本籍を尋ねる

・起訴状の朗読
被告人が何を行い、その行いが何の罪名に当たるのかが簡潔にまとめられた起訴状を検察官が読み上げる

・黙秘権等の告知
裁判官が被告人に「自分に不利になるようなことは言わなくていい」ということを教えてくれる

・罪状認否
裁判官が被告人に対し、起訴状の内容を認めるかどうか確認する

・検察側の冒頭陳述
検察官が起訴された犯罪事実のその動機から逮捕までの詳細や、被告人の生い立ち・家族構成・学歴・職歴・犯罪歴などを述べる

・被告側の情状陳述
被告人の家族や友人などが情状証人として登場し、弁護人の質問により「二度と犯罪を起させないよう、今後被告人の監督はきちんと行う」などの情状を述べる

・被告人質問
弁護人、検察官、必要に応じて裁判官からそれぞれ被告人質問が行われる

・論告求刑
検察官はあらめて被告人の犯罪事実を明確にし「被告人を懲役●年に処してほしい」と求刑し、弁護人は情状酌量の趣意を述べ「刑の執行を猶予する判決にしてほしい」とか「できる限り寛大な判決をお願いする」などと裁判官に要望する

・最終陳述
裁判官が被告人に対し「これで結審するが、最後に述べておきたいことはないか」と最終陳述の機会を設け、被告人が「二度と犯罪を犯しませんので、寛大なる判決をお願いします」などと述べる

・判決
後日判決が宣告される(たいていは後日なのだが、今回は即日判決だった)


被告人は若い男性で、情状証人に奥さんが呼ばれたあたりから涙ぐみ、最終陳述では涙ながらに言葉を詰まらせながら反省の言葉を口にしていて、もう涙・涙の世界である。

オイラも少し目頭が熱くなったが、裁判的には良くも悪くも情状酌量へのアピールという事になるのだろう。

で、初傍聴した感想としてはとにかくテレビ・ドラマとかで見る世界とはまったく違う雰囲気だということ。

裁判所はとても綺麗でというかむしろ無機質で裁判も淡々と進む。だが、当然ながらそこで起こる人間模様はこの上なくリアルだ。

まさに人生を賭け必死な当事者達を思うと、軽々しい気持ちで傍聴するわけにはいかないが、一度見ておいて損はない世界だと思う。

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