ワールド・トレード・センター
社会派オリバー・ストーン監督が9.11をどのように描くのか楽しみにしていたのだが、「JFK」、「ニクソン」のような切れ味の鋭さはまったく感じられないヒューマンドラマ。
とはいえ映画として面白くないというわけではなく、未知の危機に直面した人間の心理描写、その危機を乗り越えるのはやはり家族愛といった普遍的なテーマを、彼らしい独特の暗めの撮影によるリアルな緊迫感で描いた良質のエンターテイメントに仕上がっている。
ニコラス・ケイジの演技も素晴らしく、イケメンじゃないんだけど”男の哀愁”って言うんですかね・・・引きつけるカッコよさがあります。
しかし、オイラ的にはやっぱりオリバー巨匠には9.11を、感動的なエンターテイメントとしてではなく、考えさせられる社会派ドラマとして描いてほしかったっス!
はっきりいって、この「バックドラフト」の延長線上のような作品は彼でなくても撮れると思う。
良い映画なんだけど、消化不良で★★☆☆☆。
129分/カラー/アメリカ/2006年
監督: オリバー・ストーン
脚本: アンドレア・バーロフ
出演: ニコラス・ケイジ/マイケル・ペーニャ/マギー・ギレンホール/マリア・ベロ